2012年05月30日

赤ずきんチャチャ 彩花みん

懐かしい少女マンガが再連載と聞いて喜んだのは私だけではないだろう
子供と一緒に見たテレビで放送されたアニメの原作だと思って手にしたのがきっかけで
単行本を全巻集めたりぼん連載の魔法ギャグ漫画


根暗でお人形が大好きな世界一の魔法使い セラヴィの弟子でドジな少女チャチャ
そのライバル?魔法使いドロシーの弟子 しいねちゃんは薄毛が気になる
オオカミに変身する絵の上手な少年リーヤは絵が上手
子供を熱愛する教師 ラスカル先生
ずば抜けたエスパーだがこの漫画で一番まともなポピー君
などなど出てくる人物は作者の脳のいったいどこからあふれてくるのか聞きたくなるほど
ユニークで強烈で温かい

長い連載の中でちっとも飽きさせない豊かなサザエさん的なキャラクター性と
抜群のギャグのセンスが見事にマッチしていた
とにかくテンポがよく、読んでいるほうを安心させてくれる流れがある
こちらに自分も彼らのファミリーだという感覚を味あわせてくれるコメディ作品だった


昔読んだ少女マンガを描く方法を教える本で
「描き続けると絵が変わるのは当たり前」とあった
私の疑問はとかれたし、納得も行った
描きなれるということは描きやすくなっていくことでもある
そこに線の省略や角度が変わり、装飾のグレードアップがあって・・・
紙面そのものの印象が変わるのである
特にデビュー間もない作品が出世作となるとそういう印象が深くなるのかもしれない
この作品も長い連載の中でそういう変化があったが、内容のおもしろさ破天荒さは変わらなかった

長い連載ほどそうなるのは仕方ないと思うが、さて一度連載を終えた作品が再び誌上に
掲載されるときはどのような印象を与えてくれるのだろうか
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posted by YUE at 07:39| Comment(0) | 感想色々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月20日

B.D28

もう勝手にキャラが動くままに書いてます
も〜〜〜 あんたらに任せたわよ〜〜(爆)


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天井の高い広い部屋だった。
しかしそうは思えないほどたくさんの植物がそこらじゅうに鉢植えで置かれて、高いものは天井に枝や葉が届きそうだった。
咲いた花はエアコンの風に時々吹かれて揺れていた。
その間にはこれまた大きな水槽が二つも置いてあり、明るいライトの中を華やかな色彩の熱帯魚ではなくて正反対に地味な色合いの川魚が泳いでいる。
その水槽の中を浮き上がっては消えるたくさんの酸素の泡が、低く心地よい音を何重にもはじかせていた。
まるで大きなビオトープのような部屋に置かれた深い茶色のソファは、夜の結のベッドになっている。
初めて来たけど初めてではないような懐かしい感覚が、ふわりと周りを見渡す結を包んでずっと抱えている恐怖や恐れを忘れさせてくれた。
「思い出すかい? 総領に聞いたけど君はこんな木や花が咲いていた山の生まれなんだそうだよ まあこれは鞍馬山の植物を持ち込んだものだけどね 」
背の低い男性 高いほうから「はやと」と呼ばれていた男がそう声をかけてきた。
生まれとはなんだろう? くらまやま?
内で自答する結の足もとにもふもふとした肌触りがあった。
ちょっとびっくりしてみたらグレーの縞々の長毛の猫が、結の裸足の足首をさらっと尻尾で撫でるように歩いて行ったのだ
来た時から木々の間からこちらの様子をうかがっていた先住者である彼は、三日目になって新入りの値踏みにきたらしい。
「ミャオン」
結のほうを振り向きながら小さな声で鳴いた猫の瞳は淡い黄色がかった緑だった。
黙っている結が「おいで」と言ったと勝手に解釈したらしい猫はソファに上がり、新入りの隣に座った。
しかしふわふわの縞々の背中に結が手を出そうとしたら、ふうっと顔にしわを寄せて拒んだ。
「ルーシー だめだよ」
速人が手の付けられなかったテーブルをかたづけながら言った。
「でも気に入ったみたいだね 前に和優貴さんがお店の女の子を連れ込もうとしたら縞々の風船みたいに膨らんで大騒ぎして、結局追い出したんだ。」
「うるさいな 彼女が猫嫌いなんだものしょうがないだろう」
隣の部屋にいるはずの和優貴がこちらに聞こえる声で言い返した。
「ルーは人間にはそう簡単にも触れさせないけど、そう簡単にも近づかない 客を気に入ったか もしくは見張るためか・・」
待っても和優貴がそれ以上言わないのを怪訝そうな顔でその方向を見たのを、結はもちろん気が付かなかった。
結はヒカルの部屋でいつもそばに居た大きな灰色の背中と太い尻尾 そして金色の瞳を輝かせた長い舌をだらりとした狼犬の顔や毛並みを思い出して、猫の背中を触ろうと思ったのだ。
目は荒いけどそれはいつも柔らかく自分を受け入れて支えてくれる、鋼のように堅くも暖かい毛皮の巻きものだった。
ここにきて思い出した最初のものだ。
結が「もう彼にも会えないのか」と思った時
『アンタは危険よ』
ふいに頭の中に黄緑の瞳の猫が話しかけてきた。
『アンタのせいじゃないけど危険なの 悪いけど見張らせてもらうわ 大丈夫アンタが悪さしなきゃひっかきゃしないから』
緊張した結が体を猫の反対側に引き寄せた。
『はやくそうりょうといっしょにおやまにいくといいわ』
こちらをじっと見ながら舌なめずりする猫を見ないようにして、思わぬ警告に怯えて泣き出しそうな顔になった結が気の毒になったのか、猫は可愛い甘い声で鳴いた。
「ミャオン」
結が頭を両手で抱えてそこにうずくまったのを見て速人はそばに来て、脈をとり熱額に手を当ててをはかった。
「具合が悪いの? なんか脈が速くなったね もう横になったほうがいいかな」
「ルー あっち行けよ」
隣の部屋から入ってきた和優貴がそういうと猫は彼の顔を一瞥してソファを下り、入れ違いに外へ出て行った。
「やっぱりなんか食べたほうがいいんだけどなあ」
速人がそっとソファに横にした結が腕で顔を覆ったのを、空腹からくる不調だとしか思わないらしい。
いいやつなのだがまっすぐすぎるし見方が甘かった、またそれは彼が中々上の階級に上がれない訳だったが。
「コンビニにでも行ってくるか?」
「栄養剤でも買ってきたほうがいいかもしれない。」
「そうだな 頼むよ。」
ポケットの両手を入れたまま和優貴が言うと、速人はそのまま出て行った。
静かな酸素のモーター音が木立の間に響く部屋には口のきけない結と和優貴が残された。
和優貴が見ると結の腕の下になった頬には照明に照らされた涙があった。
隠している両の腕の手首にはまだ包帯が巻かれたままで、治療の時見たやせこけた体の痣や内出血のあとはまだはっきりとしていた。
あの人外の戦場でもヒカルと引き離されても、なんの感情も見せないままここにきて初めて見せた涙であり、外部への反応だった。
周りへの希望も慕情もないかわりに、ただただ人にも自分にも無関心であり続けることで彼自身を守ってきた結界なのかもしれない悲劇が哀れだった。
「光」の猫ルーシーに警告されたのが恐怖にしか聞こえなかったのだろう。
それは彼の中に確実住んでいるはずの「闇」の権現が見せた反応かもしれない。
その重さにいつも楽天的と言われる彼の内部にも重苦しいものがよぎる。
しかしそこにいるのは痩せた体をさらに痛めつけられたただの青年だ。
小さな猫に怯えて黙って涙を流すしかない彼に何ができるのか。
「もうすぐお前のど偉い保護者が迎えに来るよ そしたら思い切り泣くなり話すなりすればいい ・・・本当にそうなればいいな 天羽 結」
和優貴は心の中で彼に向かってそうつぶやいた。
窓から見えるのは闇がせまる夏の夕暮れの深い蒼空だった。


そのあと速人の買ってきた子供用栄養剤を無理矢理のどに流し込まれて、結はソファに横になっていた。
他には誰にもいない静かな部屋だ。
相変わらず腕で顔を隠している下で涙が出てくる。
「危険」
そういった猫の言葉−頭の中に響いてきた言葉が怖くてぎゅっと手で顔を画し、目をつむって防いだ結だった。
そうわかってる・・自分は危険・・
だけどそれは自分ではどうにもならないのだとも。
そのせいで自分に記憶も声もないことをうっすら感じていた。
誰かが触ると痛みを伴う自分を守るように張っている見えない幕もそれと同じものだ。
痛いのが嫌で寄ってくる人から逃げ回ったり、でもさみしくて誰かに触れてほしくて痛みに耐えたりする時も同じように警告してくるのがその幕だ。
「誰かと関わってはいけない」
その声と自分の中からわいてくる感情とぶつかり、ときにはぐちゃぐちゃになってわけがわからなくなるときがある。
そんな時は必ず逃げ出したくなって、やみくもに自分がいる場所から走り出してしまうのが常だった。
ソファの上で横たわりながらそうなる自分を想像すると怖くなって、ますます不安にさいなまれていた。
その時誰かが自分の手を掴んだような気がした。
結は逃げようとしたヒカルの部屋の玄関で彼に手を掴まれたのを、まるで今さっきのことのように思い出した。
「お前はここにいるんだ」
こことは壁の色も間取りも違う空間で暮らした何時間かで、ヒカルが自分に注いだ行為をすべて思い出せる。
あたたかい食事や風呂 少し荒っぽい治療 僅かな笑み 大きく揺れるカレシンの尻尾 小さな部屋のベッド
彼が自分の幕に触れてもちっとも痛くないのはどうしてだったんだろうと。
また突然現れた恐ろしい化け物から、自分を守ろうとしたときの背中の暖かさがふわっと思い出された。
耳で聞こえる声では言えなかったが「ありがとう」と一回だけ言えたことが遠く懐かしい出来事のような気がする。
あの時もこんな風に怖かった。
店のドアを開けて入ってきた人が、いつも自分以外には見えない恐ろしい仮面をつけていたからだったが。
あれがどんな意味か またどんなに怖かったか ヒカルに言いたいと思った。
その人はヒカルの親しい人だったから。
でも今の自分は小さい猫の警告に怯えて小さくなっているしかないのだ。
しゃくりあげたついでに顔を上げて外を映す窓を見上げた。
窓から見えたのはぽっかりと浮かぶ白っぽい金色に輝いた満月だった。
涙で潤んだ彼の真っ黒な瞳の中にその月の光が差し込んで、小さいが輝く湖面のような光を与えた。
その光は彼の魂の中に一筋の細いが強い光線になって切り込み、誰にも見えないようにしまっていた裏側の闇を切り裂いた。
その闇が避けた部分に月光が降り注ぎ、そこにいた人間をまるでそこにいるように浮き立たせる。
その人は明るい茶色の長い髪を風に翻した後姿だった。
手を伸ばせば届きそうに近いように感じて手を伸ばそうとした。
汗と寝癖でぐしゃぐしゃになってしまった黒い巻き毛が、頭皮からふわりと浮き上がるように自分の内部から吹き出す風があった。
しかし自身は全くそれには気付かずに、ただただ窓の外の輝く丸い月を見つめて瞳の端から涙を一筋流す。
自分を守っていた手が月に伸びて、長く動くことを忘れていた唇が震えて誰にも聞こえない声で彼が呟いたのはその時だった。
「・・・会いたいよ」
かかっていた薄い雲が晴れて満月の光が幾段か強くなった。
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posted by YUE at 10:10| Comment(2) | CRAPS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月19日

笑顔


あれからいつも思う浮かぶのは何十年も暮らした町並みや風景

どこのアルバムにもないありふれた光景

思い出の中の会話や顔はその街の中で繰り返されてはまた消える

もう会えない人のことを思うと

さびしい 辛い 悲しいとしか思えなかったついこのあいだ

でもやっと最近街を思い出すと人を思い出すと 

繰り返し通った店や会話を思い出すと

ずっと笑顔でいたことをはっきり思い出す

もちろん泣いたことも悲しいこともあったけど

どんなそれよりたくさん笑ってあって話してたね私たち

深夜までも 外で こたつで ファーストフードで 喫茶店で

人生笑顔だけの場所も時間もそうないけど

今思い出すのは私と会った時のあなたたちの満面の笑顔だけ

お互いの名前を呼んで話した時の笑顔が私への今のあなたからのメッセージ

楽しかったよ 

だからまた呼んでね

今は涙に沈んでしまった街で昔いつも会うたびに 

話すたびにそう言ってくれたあなたたちの笑顔が

私をさらなる旅に送り出す

ありがとう

3月11日のその時まで 

一生懸命生きたあなたたちの笑顔が私のこれからの道しるべ


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posted by YUE at 09:50| Comment(0) | シロップ(ポエム・雑文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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