2012年01月25日

自分以外の誰かのために


自分以外の誰かの経験なんて味わえるわけがない

それが痛みでも喜びでも

だから人は想像するまたは空想する

そこから何かが生まれるかもしれない

何も生み出さないかもしれない

でも思うのなら次に来るのは動くことであり

答えることであり

探すことであり

あらわすことである


自分の謂れや意味のない苦しみや悲しみでも

最低自分以外の誰かの同じものを救えるまたは理解できる術になる

または相手にそっと添えることができる希少な糧になるだろう


自分以外の誰かのために

自分がいてよかったと思えるまたは思ってもらえるならば

何が無くても 何を失ってもきっとその人は幸せな人だ


「人間の最大の病は孤独」 by マザー テレサ


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posted by YUE at 21:52| Comment(6) | シロップ(ポエム・雑文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月13日

TBS系列 日曜劇場 南極大陸 

TBS系列 日曜劇場 南極大陸  

敗戦後の日本 
一人の人間の英知や勇気や経験だけではのりこえらない大きな試練の波は
日本と言う国や日本の社会を縦に横に揺らした
そして戦後途方も無い南極の気象条件 法律や国家という社会の鎖は
南極観測船「宗谷」を、また日本発の南極越冬隊を揺らし翻弄する
戦争と言う自分ではどうにもできなかった悲劇に家族をうばわれた男 倉持が越冬隊犬係りとして再び自分の人生に夢や生きがいを見つけ、仲間とともにその命や夢を生かしいかされる人間群像
「南極」という未知への挑戦が、敗戦国日本の世界への平和的存在アピールであり、戦後復興を支えた大きな技術進歩のきっかけだったという流れは感動的ですらある
天候や政治的困難に立ち向かっては打ちのめされまた挑戦する南極隊員たちは、見ている側の感情を揺さぶるものがあった
特に震災直下の被災地で生きながらえた私には、遭難しかけた自分を助けに来てくれた隊員にしがみついて言う「ありがとう」は胸の迫るものがあった。
家族のように愛した樺太犬たちを厳冬の南極に置いて帰ってしまうことを詫びて泣き崩れる倉持の心情は、家族を津波で失った人間の擬視感にも似ている
そして越冬と言う目的のために集まった男たちをまとめほぐす教授の「やってみなはれ」は、失敗や痛みの不安や恐怖に立ち尽くす隊員や見ている視聴者側の心に響いた
また人間以上の存在感を持ってしまって描かれたそり犬たちの表情や演技?は、泥臭いまでの愚直な人間主体の群像劇の中では仇花にもなってしまったかもしれない
タロ、ジロ、リキ、風連のクマ、ベック、シロ・・・人に飼われて初めて犬になると言う犬の幸せをこの犬たちを通して今の犬たちに祈りたい
フィクションとノンフィクション ドラマかドキュメンタリーか
手を伸ばせばよりリアルな別世界を簡単に見たり聞いたり出来るバーチャル世界が幅を利かせるようになった今の社会では、その仕分けをすることからはじめないと作品の価値や美しさが見る側に伝わりにくいのかもしれない
メガ盛りといわれた俳優陣も、荘厳な南極の自然の風景に対抗するにはまた敗戦という傷にも似た震災という傷を負う今の日本を華やかに彩るにはふさわしかった
昭和という今となってはオマージュさえも抱く、汚れてもなお生命力に溢れた時代風景に、愚直なまでに必死で熱い男のドラマはよく似合う
一つに夢をかなえた倉持の今後の幸せを祈らずにいられない

posted by YUE at 21:55| Comment(0) | 感想色々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月05日

昔書いた童話A

懲りずに第二話・・・


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泡が目を覚ましたときそこは緑の葉が濃い影を落とすジャングルの中でした
むうっとする重い湿った空気が泡の体に入ってきて、体が震えるような驚きで目が覚めたのです。
開いた目には今まで見たことが無い色と影と光のある世界が広がりました。
そしてけむくじゃらの白と黒の手が見えました。
頭がかゆくてその二本の手で掻くと、長い二本の何かが折れてまた立つのがわかりました。
地面の上にあるのは腕より長くしっかりとした足です。
泡はそばにあった泉の行き、その水面に映った自分の姿を見て驚き、その拍子に自分の頭の上の耳がぴょんと立つのを感じてまたその様子を見ました。
泡は小さな黒いウサギの姿をもらったのを知りました。
真っ黒な毛並みと真っ黒な瞳と白い先の4本の足と小さな尻尾が、震えているのがわかりました。
管理人からもらった姿に泡は驚いてでもうれしくて足で地面をたたき、また腕でパタパタたたきました。
ぷるぷると頭をふるたびに耳が揺れて、耳は周りの音を拾います。
綺麗な鳥のさえずり 葉っぱが風にこすれる音が聞こえました。
そのとき泡はその小さな体の奥底に残された管理人のメッセージを感じました。
「ちいさな勇気のある泡よ お前にこの体を与えて世界で一番幸せな生き物を知ってくるといい お前の首の毛の下に水晶をつけておいたが、それは神様の使いの印だ きっとこの先答えが見つかるまでお前の役に立つだろう」
泡は管理人に何か礼を言おうとしたけどうまく言葉が出てきませんでした。
「お前に仮の名をやろう お前がこの世にまた生まれるときに会いたい人にあったなら、その人に新しい名前をつけてもらうといい」
泡はうなずき耳をぷるぷると振りました。
「お前の名前はソックス 前足に可愛い白い靴下を履いているからね さあ、いくといい。」
泡は地面を後ろ足でとんとたたいて、黒い長い耳をたてて真っ黒な目を開き。一回その場でジャンプしてから、まっしぐらに目の前の緑のジャングルの中に駆け出しました。
ジャングルは豆粒みたいな黒ウサギが飛び込んだからと言って、何も変わりませんでしたがただちょっとだけ藪がきしみ下草が珍客に笑うように揺れました。
でもそれだけであとには変わらない静かな緑の木々が、時たま震えるように響く鳥の声を発するのを聞いているだけでした。


ソックスはぱたぱたとその小さな体をいっぱい使って闇にも近い緑の中を走っていきました。
その姿を見た凶暴な生き物が静かに後をつけているとは知らずに。
泡のときと違って疲れてしまう体を持ったソックスは、ちょっとだけたちどまり息を整えようとしました。
しかしそのとき自分の柔らかな体を押しつぶす力によって、地面に顔をこすり付けられてしまいました。
息も出来ないような強い力の上から、生臭い息が吹きかけられました。
何がなんだかわからないソックスが動く足でもがいていると、上から吐きかけられた息の向こうから、悲しげな声が聞こえました。
「こいつはお使いか では傷つけることは出来ない」
その声が聞こえたかと思うと、体を抑えていた力がふっと抜けてソックスの黒い体は自由になりました。
恐怖でつぶっていた目を開いてみると、大きな大きなたてがみの雄ライオンが自分を見ていて、そして苦々しい顔でぷいと体の向きを変えて立ち去ろうとしていました。
ソックスはライオンの堂々とした体格や大きさに見ほれてしまいました。
自分もああなりたいと思いました。
ソックスは二、三歩歩いてライオンの後姿を追って声をかけました。
「もしもし あなたはこの世で一番幸せなものですか?」
ライオンはやれやれといったような顔で振り向きました。
「お前がお使いでなければ一口で食っちまうんだが・・・」
ライオンはソックスの首の毛の下にあった小さな水晶に目をやり、深いため息をつきました。
「幸せ? 年取って体が弱って群れからはぐれて餌も取れなくなった私が幸せそうに見えるかい?」
小さなソックスから見れば大きくて堂々とした老ライオンでしたが、よく見ればたて髪は擦り切れてわき腹にはアバラがうっすらと見えました。
あごの中の牙も一本欠けています。
「やっと捕まえたと思えば神様の使いときた。 ついてないよ 俺は。まったく幸せなんかじゃない」
「おなかがすいているからですか?」
ソックスの問いにライオンは首を下に振りました。
「もちろんそうだ 生きている限りは食べないと生きていけない いつでもおなかいっぱい食べれたらどんなに幸せだろう。」
「ではこの世で一番たくさん食べているものが幸せなんですね。」
ソックスの質問にライオンは顔をちょっとゆがめながら答えました。
「ああ、きっとそうだな 食べる心配が無い生き物ならいつでも幸せだろうな」
「わかりました あなたはそんな生き物を知っていますか?」
ソックスが言耳を立てて聞きました。
ライオンは長い鞭のような尻尾を振って言いました。
「ああ、知っている。」


posted by YUE at 23:03| Comment(0) | シロップ(ポエム・雑文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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